紅葉が始まったかと思えば、すぐに落葉が始まりました。今年の冬は急に冷え込んでいます。
今回のweb記事では、少し遅れましたが、研修旅行という行事について生徒目線から紹介したいと思います。
研修旅行はいわば、3年生が参加する修学旅行です。ただ、清陵中が他の学校と違うのは、その目的です。清陵中の研修旅行の目的は大きく分けて3つあります。全て書くと少し長くなってしまうので、自分なりにまとめると「自分の将来像や学習展望を意識化し、社会を生きる力を育み、仲間との友情を深める」です。思い出作りはもちろんですが、今回の旅行で様々なことを学んできました。
今回私達3年生(7期生)が行ってきたのは、宮城県と東京都です。宮城県では主に東日本大震災に関することを知り、東京都では企業見学や大学見学などを行いました。
一日目


7時に上諏訪駅を出発し、バスや新幹線を使い仙台へ。そして仙台から石巻へバスで移動しました。石巻についたのは14時でした。今回の研修旅行はとても移動時間が長かったですが、美味しい駅弁を堪能したり、初めての新幹線に興奮したり、友達とわいわい楽しみながらの移動だったので、多くの人にとって全く苦痛ではなかったのではないかと思います。
石巻では、震災の爪痕が残る門脇小学校、南浜津波復興祈念公園、MEET門脇を見学してきました。
テレビやインターネットなどで私達は簡単に東日本大震災について調べることができます。ただ、それで全てを知ったと思ってはいけないのだと思いました。実際に被災した方々の声を聞き、壁が剥がれ窓ガラスが割れたままの小学校を見て、原型がわからないほど変形し黒焦げたクレヨンを見て、昔は住宅街が広がっていた場所が住めない地域となり、更地になっているのを見て、震災の本当の怖さが少しだけわかったように思います。
二日目

午前は東北大学で災害に関する講義をお聞きしました。「危機一髪で生き延びた、親が子供をかばって助けた、そういう感動エピソードとして残るものは本来あってはいけないこと。災害時には、そもそも危機一髪の状況になることを防ぐ行動を取らなければならない」といった、今まで私達が考えていた視点とは異なる視点から災害を考えることができました。
午後は東京大学、早稲田大学を大学生の皆さんと見学しました。東北大学も含め、それぞれの大学がそれぞれの個性を持っていました。キラキラした大学生の皆さんを見て、あと4年経ったら自分がそうなると思うと、あまり実感がわきませんでした。
もともと研修旅行でお土産を買う時間は用意されていなかったのですが、先生など様々な方の協力により、急遽用意されることになりました。大学見学を終えたバスの中で、お土産を買うことができることが発表されました。それを知らされたときのバスの中は拍手喝采でした。研修旅行の中で最もみんなが湧いた瞬間の一つだったと言っても過言ではないと思います。
初めての宿泊行事ということもあり、ホテルでのみんなのテンションはかなり高くなっていました。一日目はレトロな雰囲気のおしゃれなホテルに、二日目は階層の高い、モダンできれいなホテルに宿泊しました。おそらく清陵生の皆さんは、しっかりと就寝時間に寝たことと思います。就寝時間に寝た割に、それぞれの部屋でのエピソードはとどまることを知らず、皆さん楽しい夜を過ごしたようです。
三日目

三日目は9つのグループに分かれ、それぞれ1つ、もしくは2つの企業を見学をしました。電通、世田谷自然食品など、多くの人々の生活を担う企業を見学させていただくことができました。身の回りにあるものは誰かが考え、試行錯誤し、多大な努力の上で成り立っている、という、当たり前ではありますが日常生活で常に意識しないことについて気付かされました。
8時から15時まで、昼食を挟みつつ企業見学を終えた後は、八王子駅からバスで上諏訪駅へ。19時に解散となりました。
正直なところ、実際に行くまでは、少しこの行事について残念に思うところがあった人がいたのではないかと思います。修学旅行ではなく研修旅行で、あくまで勉強の場で観光もないから、あまり楽しいことはないのではないかと思っていた人がいたと思います。実際にそういう声を聞くこともありました。
確かに、目と鼻の先に見えていた東京スカイツリーも行かず、上野動物園にも行かず、一般的な修学旅行のように、観光らしい観光はあまりなかったかもしれません。しかし、研修旅行はそんな観光に勝る貴重で楽しい経験になったと、私は思います。
みんなで準備をして、学んで、楽しんだこの研修旅行は、私たちの大切な思い出です。