信州大学連携講座–遺伝子解析実習–2022/12/4,5
信州大学上田キャンパスにおいて,松村英生教授・小笠原寛准教授に実施していただきました。
参加者は15名で、テーマは昨年度と同様の「16SリボソームDNA配列を用いた環境中の菌叢(きんそう)解析」。
初日の前半はDNA解析の歴史や理論を講義していただきました.
後半には実験室に移動してグループ毎に持参した環境水からバクテリアのDNAを精製・培養。3人の大学院生のみなさんにマイクロピペットの使い方から丁寧に指導していただきました。最後にPCR装置に試料をセットして1日目は終了。
2日目はまず培養が適切に行われたのか電気泳動法でチェック。 最後に,バクテリアの種類や量をデータ化するためにDNAシークエンサーにかけます。一般的にはDNAシークエンスは研究室に設置した大型装置で行うそうですが,宇宙ステーションでの実験が可能なほど小型の装置が開発されたことで,サンプルを研究室に持ち帰ることなく,現地での解析が可能になったとのこと。松村先生も研究に使用しているという最先端の手法です。今回はナノポア社のMinION(ミニオン)という装置を用いて遺伝子の解析を行いました。
解析に少々時間がかかるとのことで,解析結果を待ちながら施設内を見学しました。繊維学部の遺伝子実験支援部門には生物学の研究や解析に必要な機器がほとんどそろっており,また危険な病原菌を扱うことのできる特殊な部屋も完備されているとのことで,参加生徒は驚いていました。
実験室に戻り解析結果を見てみると,2日がかりで精製・培養したDNAが教卓上の手のひらサイズの装置で解析され,データ化されていく様子に皆感動していました。また,データはオンラインで即時見ることができるため,解析されたDNA配列をデータベースサイトで照合してバクテリアの種名を特定したり,バクテリアが何種いたのか,それらの系統樹上での位置関係はどうかなども確認することができました。